○平成14年度 行政書士過去問題集・教養○
第1問目
問題 44 次の文中のA〜Dにア〜オの語句を選んで入れるとき、適当な組合せは、1から5のうちどれか。
論理と言語はいつのまにか、いろいろな点で意見が合わなくなる。
最大の相違点は、論理が、人間的な立場や視点を越えてしまったこ
とであろう。逆に言えば、言語はどうしても発言者の特定の視点や関心から離れることができない。そのいきさつがもっとも見えやすいかたちであらわれるばあいのひとつに、否定表現の問題がある。
論理においては、「X」の否定すなわち「非X」をもう一度否定すれば元に戻ってしまうだろう。「非・非X」は「X」にひとしい。
が、言語ではいくらか様子がちがってしまう。「可能である」の否定形Aを、さらに否定してみて、さてBはCにひとしいか。
無論、ちがう。その相違はおもに、判断の経過にある。そこには、はなから「可能である」と割り切っていることと、はじめはDとすこ
ぶる懐疑的だった精神がいろいろ迷ったあげくにやっと「不可能ではない!」と思い切ることとのちがいがある。
言語表現がどうしても私たちの人生そのものと同様の途中の経過抜きでは意味を造形し得ないのに対して、論理は無時間的な、
すべてを同時に見とおす(いわば《認識論的な神》の視点からの)ものの見かたをめざしているようである。
(出典 佐藤信夫『レトリック認識』)
ア 不可能ではない
イ 不可能だろう…
ウ 可能である
工 可能であろう
オ 不可能である
A B C D
1 オ−イ−ウ−エ
2 オ−ア−エ−イ
3 ア−オ−ウ−エ
4 オ−イ−ア−エ
5 オ−ア−ウ−イ
1
5
3
4
2
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